コーヒーの科学【コーヒー×科学】

「毎日コーヒーを飲んでいるので、もっとコーヒーのこと知りたいなぁ。科学的な学びがあればおもしろいのになぁ。」

こんな悩みを解決します。

本記事ではコーヒーの科学について紹介します。コーヒーは毎日お世話になっている飲み物です。僕もコーヒーなしでは生きられません。そんな方も多いのではないでしょうか。

なお、僕は研究者として生計を立てつつ、サイエンス・エバンジェリストとして科学技術を世間に伝えるための教育活動もしていますので、記事の信頼性が担保できるかと思います。

それではいきましょう。

今回参考にしたのは、コーヒーは楽しいという本です。絵とともに解説があり、かなりわかりやすいですし、記憶に残りました。

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豆選び

スペシャルティコーヒーという存在

スペシャルティコーヒーというコーヒーがあります。スコアが80/100スコアがついた稀少性の高いコーヒー豆のことです。一方、多く市場に出回っているのがコモディティコーヒーです。コモディティーコーヒーは、アラビカ種とロブスタ種の2種類あります。アラビカ種はニューヨーク先物取引所で、ロブスタ種はロンドンの先物取引所でそれぞれ扱われている。

なんと、スペシャルティコーヒーは世界の生産量の1%で、コモディティコーヒーが99%だそうです。つまり、私たちが飲んでいるコーヒーのほとんどはコモディティコーヒーなのです。

シングルオリジンかブレンドか

豆を混ぜるかどうかで、シングルオリジンかブレンドに分類できます。

シングルオリジンは、特定の農園で生産されたコーヒー豆だけを使ったものです。その年ごとにも風味が異なるため、本当に美味しいコーヒー豆を選ぶことが必要であり、高価なコーヒーになります。

一方で、ブレンドは味が安定するという利点があります。種類が多ければ多いほど、個性を無くし安定した味になります。どうしても味のレベルはシングルオリジンに劣ることが多いです。しかし、上手に配合してシングルオリジンよりも美味しいコーヒーを求めるためにブレンドされることもあるようです。その場合には3~4種類の豆をブレンドすることが多いそうです。

焙煎方法

メイラード反応とカラメル化反応

ここで、理系の知識が必要になってきます。

豆内部の水分が5%をきると、メイラード反応が起きます。メイラード反応は糖とアミノ酸が反応して、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応です。肉を焼いたときに褐色になったり、玉ねぎを炒めると褐色になるのも同じメイラード反応です。

更にそのまま焙煎すると、カラメル化反応を起こします。カラメル化反応は、糖が酸化して褐色になる反応です。こちらはべっこう飴やプリンのカラメルなどでもお馴染みですし、コーラの着色にも使われていますね。

高いコーヒーは浅煎り、安いコーヒーは深煎り

焙煎が進むとローストの香味が強くなり、豆本来の香味が消えるそうです。ですから、安いコーヒーほど深煎りになる傾向が強いです。

焙煎は200℃程度でおこなわれる。10分程度焙煎すると豆がパチパチなり始めた状態を1ハゼといい、質量が10%減ります。これはメイラード反応が起きているのです。さらに焙煎を続けると、2ハゼに到達します。こちらはカラメル反応が起きている。この1ハゼから2ハゼの間が浅煎り、2ハゼ以降を深煎りというのが一般的のようです。つまり、メイラード反応とカラメル反応をどこまで進めるかが焙煎のポイントである。

ちなみに、深く煎るほど、豆の質量が90~80%程度になるのでカフェイン含有率が上がります。

冷凍庫に入れると安物がわかる。

工業用焙煎ではフラッシュという高速焙煎をしているそうです。400℃で10分以下の焙煎をおこないます。フラッシュ方式では十分に味も香りも引き出せていないそうだ。フラッシュでは霧状の水を吹きかけるので、購入したコーヒー粉を冷凍庫に入れてみて粉が凝固するか否かでフラッシュ方式で焙煎されたかどうかがわかります。凝固したら、残念ながらフラッシュ方式で焙煎されたものです。

豆の挽き方

豆を挽く道具ミルという道具を淹れ方(抽出方法)に合わせて、選択することが重要だそうです。水炊きコーヒーは粗く、エスプレッソは細かくすると良いそうです。

豆を挽く際に使われる道具は、コーヒーミルまたはグラインダーです。

水選び

コーヒーはほとんどが水です。エスプレッソコーヒーは88%、フィルターコーヒーでは98%が水なのです。硬水すぎず軟水すぎない水が良いとされており、テイスティングテストに基づいて蒸留残留物が150 mg/L前後が最適と言われています。

マシンのメンテナンス的にも、硬水でも軟水でもないちょうど良い水が良いそうです。硬水すぎると石灰分が溜まり、軟水すぎると部品が腐食するそうです。

ちなみに、身近なミネラルウォーターではVolvicがちょうど良い硬度です。Volvicは130 mg/Lという硬度でありかなり近い。軟水のミネラルウォーターでは30 mg/Lくらいですね。

最後に

調べていくと、コーヒーはウイスキーやワインといった嗜好品に似ているなと感じました。コーヒーについて少し知ると、お気に入りのカフェがもっと好きになるかもしれませんね。

スペシャルティコーヒーを飲んでみたい…。

参考文献は以下です。

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あとがき

この記事を書いた後に見つけてしまいました。ぴったりの本があるではないですか。今度はこちらを読んで学んでから、また記事にしたいと思います!

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