「せっかくアニメを見るなら、身になる知識がつくようなアニメを観たい。教養の溢れるアニメはないものかなぁ。」
こんな悩みを解決します。
本記事では「映画ドラえもん のび太と銀河超特急」に登場する理系な知識を紹介したいと思います。ドラえもんは科学教養番組といって良いでしょう。というのも、未来道具はSFですが、地球の歴史や宇宙など多くの科学教養を得られます。今回は僕もたくさん観て記憶に残っている銀河超特急編です。
なお、僕は研究者として生計を立てつつ、サイエンス・エバンジェリストとして科学技術を世間に伝えるための教育活動もしていますので、記事の信頼性が担保できるかと思います。
さて先日、僕はこんなツイートをしました。
✅「映画ドラえもん のび太と銀河超特急」で学べる科学と教養
— おとな理科のおたれ (@otare_sc) January 26, 2020
実は、物理に関する話題がたくさん出てきます。
・ビッグバンの紹介
・タキオンによる通信、検知
・重力波による検知
また西部の星では、アメリカのデスバレーやワイヤット・アープなんかも触れられていますね。教養があがります。
というわけで、「映画ドラえもん のび太の銀河超特急」で紹介されているトピックをみていきましょう。
ビッグバン
遠い昔に宇宙がビッグバンを起こして、宇宙が膨張したという理論です。当時は定常宇宙論というのが一般的であったため、信じる人はいませんでした。しかし、1964年に宇宙マイクロ波背景放射が発見され、ビックバン理論が支持されるきっかけとなりました。
のび太としずかちゃんが展望車へ行ったとき、流れていたのはバーチャル映像「大銀河誕生」です。おとめ座銀河団についての説明もあります。
タキオン波サーチ
タキオンは光速より速度の速い幻の粒子です。物理学(場の理論)ではタキオンの存在が否定されています。「光より速いスピードの粒子があった場合、未来が見える」ということで、SF作品では多く登場しています。
ヤドリという生物たちがタキオン波を利用していました。冒頭シーンから「タキオン波、画像サーチ!」と登場しています。さすが、おとめ座銀河団より外からきた生命体ですね。人類では発見していないタキオン波を使いこなしていました。
重力波サーチ
質量が時空を歪めており、それが波となって伝わります。「アインシュタイン最後の宿題」などと言われていましたが2015年にアメリカのLIGOでついに検出に成功しました。時空の歪みはとても小さいので、日常生活では全く気がつきません。
重力波の乱れをもとに、のび太たちが乗って逃げたSLを追跡しています。SLが動いたことで僅かに歪んだ時空を検出したのでしょう。おそるべき、ヤドリの技術です。
中生代の恐竜たち
中生代は、三畳紀・ジュラ紀・白亜紀の3つの紀です。恐竜が栄えた時代としてとても有名ですね。
ブラキオサウルス(ジュラ紀)…史上最大体高の恐竜として知られていた恐竜です。現在は2007年に発見された化石から、サウロポセイドンが史上最大高さの恐竜と考えられています。
ヴェロキラプトル(白亜紀)…「ラプトル」と呼ばれる恐竜です。ジュラシックパークで登場したことで、非常に有名になった恐竜です。東アジアに生息していました。
オルニトミムス(白亜紀)…ダチョウ恐竜とも呼ばれ、脚が速かったとされています。オルニトミムスは「鳥に似たもの」の意味です。こちらは少しマイナーな恐竜ですね。北アメリカに生息していました。
プテラノドン(白亜紀)…とても有名な翼竜です。北アメリカで多く化石が見つかっているが、実は日本の北海道でも化石が見つかっています。有名な恐竜です。
ティラノサウルス(白亜紀)…Tレックスとしても知られている恐竜です。史上最大級の肉食恐竜の一つと考えられており、人気の高い恐竜です。北アメリカに生息していました。
恐竜の星では、これら3つの時代に渡る恐竜のロボットがいます。恐竜の星に到着した後に、スタッフが恐竜の星について紹介していますね。のび太たちはみんなで恐竜レースに参加するために恐竜と仲良くなっていますが、暴走が始まってしまいます。
理科だけじゃない溢れる教養番組
この映画では理科だけではありません。西部の星では、西部時代についての教養も得られますね。
アメリカのデスバレー:デスバレーはカリフォルニア州とネバダ州の境界にある谷です。
ワイヤット・アープ:西部の時代の最も有名な保安官です。カウボーイズとの撃ち合いである「OK牧場の決闘」などを起こしたことでも有名です。
最後に
実際に観て楽しみましょう。本当にワクワクするストーリーですよね。自分が子供の頃にドラえもんがあって本当に良かったです。