「日本沈没」伊豆諸島の島は消失するのか【りかドラマ】

「伊豆沖の島が消失した」こんなことは起こりえるのでしょうか。

現在ドラマが放送されている「日本沈没」という作品で、日本列島沈没のきっかけとして伊豆諸島の島の消失が描かれています。

原作では南ケ島が崩壊しました。放送中のドラマでも日之島という島が崩壊しましたね。

恐ろしいストーリーですね。

このような島のモデルはあるのでしょうか。

それではみていきましょう!

【日本沈没】伊豆諸島の島は消失するのか

このような島やそのモデルは実在しません。

しかし伊豆の島が設定に使われたことには理由があります。

地形的にとても不思議な島々なのです。

伊豆諸島の島々をみると一例に並んでいることに気づきます。

さらに、視野を広げると小笠原諸島も連なっています。

これらはまとめて伊豆・小笠原諸島と呼ばれることもあります。

いったいなぜこのような一列に並んだ島々がつくられるのでしょうか。

なぜ、伊豆諸島は一列に並んでいるのか

答えは「プレートの境界」があるからです。

今回は、この伊豆諸島の地形的な不思議を探っていきます。

約46億年前に地球が誕生して以来、新たな島が誕生し続けています。

日本列島周辺で最近起こった島の形成は、2013年の西之島の噴火によるものです。

新しい島・西之島

西之島は東京の南約1000キロメートルにある小さな島で、伊豆・小笠原諸島の1つです。

小笠原諸島は東京から約1000キロメートルも離れており、東京から札幌までの距離に匹敵しますが、ここも東京です。

島の面積は約2.95平方キロメートル、最高点の標高は160メートルです。

一見すると小さな火山島ですが、海水面下には3000mもの高さの巨大な山体が隠れています。

西之島は、海水面からわずかに顔を出した大きな海底火山の山頂部なのです。

西之島も含まれる伊豆諸島は、プレートの沈み込みによってできた島々です。

プレートの境界では、一方のプレートがもう一方のプレートへと沈み込みます。

沈み込んだプレートは大きな圧力をうけて温度が上がり、やがてマグマになります。

こうしてできたマグマが塊になり、やがて火山になります。

この伊豆諸島付近は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界があります。

太平洋プレートがフィリピン海プレートへとしずみこむことで、マグマが噴出して海底火山になります。

こうしてできた山脈の一部が海面から顔を出して、島々となっているのです。

このため伊豆諸島の島々は活発な火山を有しています。

ところでこれら伊豆・小笠原諸島は、1年あたり数センチメートルで本州に近づいています。

1年で数センチメートル、10年で数十センチメートル、100年で数メートル

これはわずかな変化ですが、長い時間をかけて移動します。

そして、いつかは本州に衝突するのです。

これは一見、信じ難いことですが、伊豆・諸島をたどっていくと、あることに気づきます。

もうお気づきでしょうか。そこには伊豆半島があります。

本州に衝突した伊豆半島

実は、この伊豆半島もかつては島であり、2000万年前には本州から数百キロメートルも南にありました。

プレートとともに徐々に移動し、約100万年前に本州に衝突したのです。

この事実は多くの証拠がみつかっています。

伊豆半島よりも早く衝突した丹沢山地には、山の上から貝などの海洋生物の化石がみつかっています。

衝突から100万年近くたったいまでも伊豆半島は独自の生態系が残っています。

このように伊豆・小笠原諸島、そして伊豆半島は、プレートの境界によってつくり出された地形だとわかります。

日本は世界有数の「プレート密集地帯」

地球の表面は10数枚のプレートに覆われています。

これらのプレート動くことで、その上にある大陸も動きます。

日本列島は4枚のプレートの上にあります。

世界有数のプレート境界の密集地帯なのです。

ちなみに東海道線に乗って東京・大阪間を移動すると、3つのプレートを移動することになります。

世界的にみてもこのように気軽に、プレートを行き来しているという場所はここしかないでしょう。

今回の紹介した一列に並ぶ伊豆・小笠原諸島は、海の中にある本来は見えないはずの「海洋プレートの境界」が島々の連なりとして海面に飛び出した様子だったのです。

最後に

自然の営みは壮大です。

比べてみると、私たちの存在や日々の悩みなんてちっぽけなものなのかもしれませんね!

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