「今度草津にいくんだけど、学びのある旅にしたいなぁ。誰か草津について教えてくれないかなぁ」
そんな悩みに答えます。
今回紹介するのは、日本有数の温泉地・草津です。東京からのアクセスも良いため訪れる方も多いのではないでしょうか。せっかく、草津の街に行ったからには楽しみたいですよね。今回は、草津で学べる科学技術について紹介します。
トピックスは以下です。
- 「自然湧出量」が日本一
- 「湯もみ」と「湯畑」はお湯を冷ますため
- 日本トップクラスの「酸性泉」
- 温泉の陰に火山あり「草津白根山」
- ラムサール条約登録地の「芳ヶ平湿地群」と「渋峠」
ちなみに僕はりか旅と称して、日本各地や世界各地を回っています。その土地の文化や歴史を楽しむとともに、科学技術スポットを回るというものです。実は、その土地に根付いた科学技術が多いので、地域によって特色が異なるのも面白いですよね。
それではいきましょう!
草津は「自然湧出量」が日本一の温泉
草津温泉の凄さは、その湧き出し量にあります。湧き出し量はおよそ3万L/minです。あまり、感覚が沸かないかもしれませんが、2分で25mプールがいっぱいになる計算になりますね。
湯もみと湯畑
湯畑が有名ですが、これは温泉の温度を下げることが目的の施設です。野外に湯を張り、熱を逃がします。お湯をかき混ぜたりする「湯もみ」も有名ですが、こちらも湯の熱を逃がすためにおこなわれています。温度を下げるために水で薄める方法もありますが、それでは温泉の成分までも薄まってしまいます。温泉の質をそのままに入りやすい温度に冷ますのための工夫なんですね。
草津は酸性泉
草津温泉の湯は酸性を示します。昔心の宿金みどりではなんとpH2.2と日本トップクラス(5位)の酸性泉です。古い肌を剥がし、新しい肌に刺激を与えて自然治癒力を高める効果があるのだそうです。入浴後はしっかりと水で流した方が良さそうです。
温泉の陰に火山あり「草津白根山」
草津白根山は、群馬県吾妻郡草津町に所在する活火山です。標高は2,160メートル。正式名称は白根山ですが、他の白根山と区別するため草津白根山の名で呼ばれています。
温泉の後ろに火山ありというように、白根山と草津温泉の関係は密接です。なんと1783年には火山活動により温泉の温度が急上昇して、入浴していた人が亡くなったこともあったようです。[1]
2018年に噴火したことで写真のような湯釜を見にいくことは現在はできなくなってしまいました。
ラムサール条約登録地の芳ヶ平湿地群
約300種類の植物が自生している高原です。白根山との対照的で静かな風景が広がっています。
白根山の火山活動に影響を受け形成された湿地群です。活火山の荒涼とした原野からは対照的な、緑豊かな湿地です。湿地群には豊かな動植物の生態系が存在します。ワタスゲをはじめとした高山植物、ニホンカモシカ、モリアオガエルなどがみられるそうです。また、注目すべきは最高標高繁殖地や東アジア最大級のチャツボミゴケ群落です。チャツボミゴケ公園が国の天然記念物にも指定されています。チャツボミゴケは湧き出る強酸性の鉱泉の中で育っています。
ラムサール条約とは
1971年にイランのラムサールで採択された「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」は、開催地にちなんで一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。
日本国道最高地点・渋峠
車のCMに使われそうな国道292号線「志賀草津高原ルート」を走っていくと、最高到達地点の石碑がみえます。駐車場もあるので、ドライブついでによってみてはいかがでしょうか。芳ヶ平湿地群の絶景が見渡せます。
おまけ
草津温泉の「湯畑」はYoutubeでライブ配信されています。なんとも面白い試みですね。実際に観てみると、Youtubeでは物足りなくなって草津に行きたくなってきます。
最後に
今回は草津について紹介しました。草津温泉は何度かいきましたが、その街並みが素晴らしいですよね。中央にある湯畑は長い時間見ていても飽きません。
ぜひ学びのある草津の旅へ出かけて観てはいかがでしょうか!
[1]国土交通省気象庁「草津白根山 有史以降の火山活動」https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/305_Kusatsu-Shiranesan/305_history.html