鉱物の基本を学ぶ【石好き初心者】

「河原で石を拾ったけど、これはなんて石だろう?そういえば、子供の頃は石が好きだったなぁ。誰か石について教えてくれないかなぁ」

そんな悩みを解消します。

今回は、鉱物を扱います。鉱物というと少し堅苦しい気がしますが、「石」と読んでいる岩石は鉱物でつくられています。とても身近なものなのです。

なお、僕は研究者として生計を立てつつ、サイエンス・エバンジェリストとして科学技術を世間に伝えるための教育活動もしています。こういったバックグラウンドなので、記事の信頼性が担保できるかと思います。

それではいきましょう

身近な鉱物

「石」や「岩」というのは学術用語ではなく、まとめて「岩石」と呼ばれます。そしてこの岩石は鉱物が集まったものです。このような岩石をつくる鉱物のことを「造岩鉱物」といいます。(以降、「鉱物」というのは造岩鉱物のことを示しています)

鉱物を観る

鉱物を観るのは簡単です。というのも身の回りに溢れているからです。鉱物を観ることのできる場所を紹介しましょう。

自然の中

自然のあるところにいけばたくさんの岩石がみられます。山にはゴツゴツした岩がありますし、河原には石が詰まっているでしょうし、海岸や砂浜にも石はたくさんありますね。岩石をよく観ると光る結晶があるでしょう。それが鉱物です。

身の回り

不思議なことに、鉱物に興味を持ち始めると、身の回りには多くの鉱物があふれていることに気づきます。砂利が敷き詰められている駐車場があったり。都会にも、床材や石垣、インテリアなど多くの鉱物に触れ合っているものです。墓石も石でできていますね。思い返してみると、生活の中に多くの岩石を見ています。

科学館

科学館には立派な鉱物標本が展示されています。例えば、国立科学博物館には、櫻井コレクションと呼ばれる展示があります。ひと部屋に日本の鉱物が敷き詰められていて、圧巻です。

鉱物の入手方法

鉱物に興味が出てくると、手に入れてみたくなりますね。

お店で買う

鉱物を買おうといっても、お店で売っている様子を見たことがない方も多いと思います。鉱物ショップは調べてみると意外とあります。しかし、その多くは鉱物だけを扱っているわけではないことが多いですね。ジュエリーショップの一角に鉱物を販売しているお店が多いです。また、科学館や博物館のショップでも購入できます。オンライン販売をしているお店が殆どですので、目ぼしい鉱物を採集してみてはいかがでしょうか。

ミネラルショー

鉱物の即売会があります。ミネラルショーです。全国各地で行われていますので、お目当の鉱物を購入しにいったり、物色しにいったりできます。

なかなか、石好きといっても幅広く、化石が好きな人、世界中の鉱物を集めている人、日本の鉱物を集めている人、磨き上げられた結晶が好きな人、装飾品になったものが好きな人…。タイプも年代もそれぞれで当に人種のるつぼといった感じです。石好き同士の友達のことを「石友」というそうです。ミネラルショーは石好きが一同に会する場所です。石好きの仲間を見つけるチャンスの場でもありますね。

コロナウイルス対策後は、入場制限などして、密にならないようになっているそうです。以前は、会場は満員電車の様相だったそうな。初心者としては、空いていると色々お話聞けたりするので、入場制限もいいなと思うのですが、出店している方々にとっては悩みの種でしょうね。

鉱物採集

実は、身近なところに鉱物はあるものです。近くの河原で石を拾ってみましょう。その石の種類が何か調べるだけでワクワクしてきますね。

鉱物収集を趣味にしている人も多いですね。鉱物採集のプロの方の話を聞いたことがありますが、河原で鉱物を見つけることは難しいそうです。河川で削られてしまい、小さくなっているからです。そこで、鉱物採集家の方々はハンマーを片手に山に行き、大きな岩石から鉱物を見つけ出すのだそうです。

鉱物を学ぶ

鉱物は身近なものですが、もう少し詳しくなりたいと思ったときに入門者向けのコンテンツがなかなか見つかりません。

鉱物の難しさ

鉱物の難しさは、あまりに不規則な名前が多いことだと思います。海外の単語を語源にしていたり、見た目や性質から名付けられているものまで様々です。また、鉱物の定義はその成分や結晶構造で決まりますが、性質は様々で硬度や色や蛍光、結晶の形など。かなり複雑な気がしてしまいます。

3つの鉱物から学ぶ

お薦めする本がブルーバックス新書の「三つの石で地球がわかる」という本です。橄欖石(かんらんせき)、玄武岩、花崗岩という3つの石を通して、岩石の世界を紹介してくれる本です。橄欖岩の周りに玄武岩(海洋地殻)、花崗岩(大陸地殻)があるというものです。この本では、3つの鉱物を主軸にして、多くの鉱物を系統的に説明してくれます。鉱物のビジュアルだけでなく科学的な興味を満たしたい方にお薦めの本です。

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最後に

最近、鉱物に興味を持ってからというもの、日常が一段と楽しいです。なぜこれまでに鉱物に興味を持たなかったのだろうと考えてみました。

  1. 地学の学習機会がなかった
  2. 「岩石」のイメージ
  3. コンテンツの不足

まず、地学の学習機会がないことです。中学校までは理科の中で扱う地学ですが、高校の「地学」になると履修率は数 %です。

岩石のイメージもあまり明るいものではありません。僕は、ポケットモンスター世代ですが、地面タイプのポケモンや岩タイプのポケモンが出てきます。興味のきっかけになりそうですね。ところが、その多くのポケモンたちは茶色や灰色のデザインです。このようなデザインがイメージを形成してきた気がするような。

最後にコンテンツ不足です。やはり受験や資格などに直結しないこともあり、コンテンツが不足しているような印象を受けます。もう少し学んだら僕も鉱物のコンテンツづくりをやってみようと思います!

そこで僕はこれから鉱物をはじめとした地学についてこんなことを始めようと思います。

  1. 地学について学んでみる
  2. 綺麗な鉱物を紹介する
  3. コンテンツをつくる

これから「おとな理科」を頑張りますのでよろしくお願いします!