簡単に「レーザー」がわかる

「レーザーとLEDとは違うの?使ったことがあるけど、実はよく知らないなぁ。誰か簡単に教えてくれないかなぁ」

そんな悩みを解消します!

今回はレーザーについて説明します。SF作品などではレーザー銃なども出てくるので、危ない装置という印象もあるだでしょう。実際に兵器として進化してきた歴史もあるわけです。一方で最近では、レーザーポインタレーシック治療レーザー脱毛などと、私たち人間にレーザーを照射することも多くなり、かなり身近な単語になってきました。また、ブルーレイドライブなど、装置内部にレーザーが組込まれている装置もたくさんあります。

僕も昔レーザーを使った実験をしており、何種類ものレーザーを使った実験に勤しんでいました。レーザーを使った実験で何本か論文を書いたこともあり、この記事の正確さも保証できると思います。

それではいきましょう!

簡単に「レーザー」がわかる

今回は、レーザーの基本を紹介したいと思います。ポイントは以下です。

  1. レーザーは光発生装置の一つ
  2. レーザーの特徴は、コヒーレントと高エネルギー密度
  3. レーザーの欠点は、低エネルギー効率

なかなか聞きなれないコヒーレントという言葉も出てきますね。要は、光がどれだけ揃っているかということです。この3つを抑えるとレーザー入門としてはバッチリです。

それでは順番に確認していきましょう!

レーザーは光発生装置

レーザーは光を発生させる装置です。確かにレーザーは光を放つ装置ですよね。これは言わずもがなと思います。

ところで、光発生装置は他にもありますね。身近な光発生装置には、白熱電球や蛍光灯、LEDランブなどが思いつきます。レーザーは他の光発生装置と比べてどんな特徴があるのでしょう。

レーザーの特徴は、コヒーレント&高エネルギー密度

レーザーの特徴は、かっこよくいうと、「空間的・時間的に”コヒーレントである”、”エネルギーの高密度化が可能である”ことです。

以下にレーザーの4大特徴をあげます。

  1. 指向性(空間的なコヒーレント)
  2. 単色性(時間的なコヒーレント)
  3. 集光(空間的なエネルギーの高密度化が可能である)
  4. パルス化(時間的なエネルギーの高密度化が可能である)

難しい言葉を使ってかっこつけましたが、一つ一つは簡単ですのでみていきましょう。

・指向性(空間的なコヒーレント)

レーザーから照射された光は、光の向きがよく揃っています。物理の世界では「よく揃っていること」を「コヒーレントである」といいます。光の向きが揃っていることを、物理では「空間的にコヒーレントである」といいます。

・単色性(時間的なコヒーレント)

レーザーから照射される光は色が揃っています。よって単色性という性質があります。この単色性をを時間的にコヒーレントといいます。光は波のように振る舞うのです。高校の物理で勉強するように、光の周期は色に対応するのです。光の色が揃っているということは、波の周期が揃っているのです。よって、光の時間的な周期が揃っていることは、時間的にコヒーレントであるといえます。

・集光(空間的なエネルギーの高密度化が可能である)

指向性が高いので、レンズを用いて集光することによってエネルギー密度を稼ぐことができます。子供のころ、虫めがねで日光を集めて紙焼きをしました。あれが集光です。たいていの光は集光できるが、向きが揃っている(空間的にコヒーレント)と集光しやすいのです。

・パルス化(時間的なエネルギーの高密度化が可能である)

連続的な光を時間的に変化させて(それを変調という)やることもできます。パルスレーザーというのは、この変調をつかって、ある一瞬だけパルス的にレーザーを照射が可能なレーザーです。出力したエネルギーを時間的に集中させることができるのです。一瞬だけ、世界中の発電所でつくる電力をこえてしまうほどです。世界の発電所では平均で7TW程度の電力を発電していますが、机1つで10〜100TW出せるレーザーもあるほどです。

レーザーの欠点は低エネルギー効率であること

一方で、欠点もあります。欠点として知っておくべきことは低エネルギー効率が低いことです。レーザーのエネルギー効率は低いです。つまり、消費している電力に対して、レーザー光として出射されるエネルギーが小さいということです。種類によるのでなかな一概には言えないが、一般的には0.1%以下〜数%です。他の光発生装置と比べてやるとわかりやすいです。白熱電球は10%、蛍光灯は20%、LEDは30~50%です。

超短パルスレーザー

レーザーにはCWレーザーパルスレーザーがあります。CWとはConstant Wave(つまり連続波のこと)の略であり、時間的に変化しないレーザー光が出射することができます。一方で、連続的な光を時間的に変化させて(それを変調という)やることもできます。パルスレーザーというのは、この変調をつかって、ある一瞬だけパルス的にレーザーを照射が可能なレーザーです。特に1ナノ秒以下のパルス発信が可能であるレーザーは超短パルスといわれます。近年ではパルス幅が1フェムト秒のアト秒レーザーが開発されています。超短化の方式として、変調器をレーザー共振器の中に入れるタイプ(内部変調方式)と、レーザー共振器の中に外に置くタイプ(外部変調方式)があります。前者はレーザー媒質のゲイン幅が限界を決め、校舎は変調器の帯域が限界を決めるのです。

レーザの語源

レーザーという単語の由来を知っているでしょうか。実はレーザーは略語なんです。レーザーとはlaserと書きます。既に一般名称化していることがわかります。しかし、実はLight Amplincation by Stimulated Emission of Radiationの略です。直訳は「放射線の誘導放出による光増幅」であるが、これがレーザーの光発生の原理なのです。1954年にメーザー(Microwave Amplincation by Stimulated Emisslon of Radiation)が開発され、しばらくの間はメーザーと呼ばれるのが一般的でした。しかし、1965年あたりから、Microwaveに限定しないLightとして、一般にレーザーと呼ばれるようになったのです。

最後に

今回はレーザーの基本について学びました。知っているようで、意外と知らないことも多いですよね。