今回は、難しいといわれる量子論について簡単に説明したいと思います。
この3つがポイントでしょうか。
- ミクロな世界
- 粒子であり波である
- 位置と運動量は同時には定まらない
今回は、この量子論の世界の不思議な特徴についてみていきたいと思います。というのも、私たちの世界からは想像のつかないような法則に基づいているからです。
量子論は「ミクロな世界の科学」
量子とは、光子・電子・陽子・中性子という極めて小さいモ ノは粒子というかたまりであり,かつ波の性質をもったものです。要は、量子論とはミクロな世界の科学なのです。
この世界は、マクロな世界(普段私たちが感じるような世界)とは、全く異なっています。量子論は、20世紀に初めに大変盛り上がった学問です。それまでに完成されたと考えられていた古典物理学(力学や電磁気学)では説明のつかない現象がたくさん見つかってしまったからです。
粒子性と波動性(粒子であり、波でもある)
なんと、量子の世界では電子に関する実験として、アルミニウムに弱い電子線を照射します。すると、実験装置の蛍光板にあたり蛍光板上の一点で発光します。これは粒子の性質です。しかし、電子線をさらに照射し続けると、波の干渉現象による回折像がはっきり見られるようになります。これは波の性質です。
これら2つの粒子の性質を示す波は、物質波(ド・ブロイ波)と呼ばれる。そして、その物質波を数学的に表す式が波動関数である。波動関数は確率を表すだけの波であり、観測するまで粒子がどこに辿り着くのかはわからない。
この確率を表す波というのは、わかりづらいですよね。そこで、良くたとえ話として出るのがシュレディンガーの猫です。猫を密室に入れ、毒をもった餌をその部屋に置いておく。外にいる人からすれば、猫は生きているか死んでいるかわからない。これを「2つの状態が混ざっている」と表現します。あくまで“観測によって”、猫が生きているか死んでいるかという状態が定まるのです。
(シュレディンガーの猫トレーナーがありました)
波動関数が満たすべき式は、シュレディンガー方程式である。シュレディンガー方程式は、波動関数と粒子のエネルギー(エネルギー固有値)をつなぐ式です。
(シュレディンガー方程式Tシャツもありました笑)
不確定性原理(位置と運動量は同時に定まらない)
ハイゼンベルグの不確定性原理と呼ばれる原理を聞いたことがあるだろうか。位置が決まると、運動量が決まらない。運動量が決まると位置が決まらないという不思議な関係が生じます。
\Delta x \Delta p \geq \hbar/2左辺は、位置と運動量の不確かさの積です。右辺は、「エイチ・バー」と読むプランク定数に1/2をかけたもので、定数です。要は、位置が定まる(=位置の不確かさが小さくなる)と運動量の不確かさは大きくなり、運動量が定まる(=運動量の不確かさが小さくなる)と位置の不確かさは大きくなる。
良くある逸話で、ハイゼンベルグが高速道路をスピード違反したときに、警察が「あの地点で、あなたは速度超過していました」と言ったところ、「そんなはずはない。私の位置と速度は同時には定まらないのだ」と言ったそうです。」
面白い話ですが、もちろん現実世界では位置と運動量は同時に定まってみえますよね。ハイゼンベルグが言っていることは可笑しく感じます。というのもプランク定数は、1.05×10-34 Jsと非常に小さい値です。ですから、私たちが日常生活で不確定性を感じることはないのです。
最後に
今回は、ざっくり量子論の不思議について触れました。「?」となった人は、これをきっかけに勉強をはじめてみてはいかがでしょうか。