「東京から日帰りで行ける地学を学べるスポットがないかなぁ。せっかくなら学びのあるお出かけにしたな。科学スポットについて教えてくれないかなぁ」
こういった悩みに応えます。
本記事では、東京から日帰りで行ける地学を学べる観光スポットとして「城ヶ島」を紹介しました。教科書で学んだことも体験を通すと価値ある知識になります。
なお、僕は「りか旅」と銘打って理科をテーマに旅をしています。これまで6カ国、13都市を旅しました。研究者として生計を立てつつ、サイエンス・エバンジェリストとして科学技術を世間に伝えるための教育活動もしています。実際に足を運んで周った体験を基に記事を書いていますので、記事の信頼性が担保できるかと思います。
というわけでさっそく見ていきましょう。
地学好きが集まる城ヶ島を探検
城ヶ島は、神奈川県横須賀市にある島です。三浦半島の先端にあります。最寄駅は京急線・三崎口駅です。そこから城ヶ島行きのバスに乗れば、すぐに到着です。都内からは1時間半ほどでいけます。品川駅〜三崎口駅(京急本線)1時間 + バスで20分です。
バス停の近くには飲食店やおみやげ屋さんが立ち並んでいます。地学スポットとしても有名ですが、県立公園もあるため地域の憩いの場としてや釣りスポットとしても有名です。
〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島
城ヶ島を巡検する
城ヶ島を回ってみましょう。地学スポットを巡ることを「巡検」と言ったりします。地元の中学や高校生を始め、理系大学生などが授業で巡検に訪れていることもよくあるそうです。
城ヶ島でみることのできる地学スポットは以下です。
- 海食台
- 海食洞門
- 逆断層
- 火炎構造
- スランプ構造
それではみていきましょう!
波食台
波食台(はしょくだい)とは波の侵食でできた地形です。引潮の海面より上であれば波食台、海中であれば海食台です。海食台が波のみによる侵食ですが、波食台は風化による侵食もある。
なお、土地が隆起すると岩石の海岸段丘となる神奈川県は江の島や城ヶ島などの波食台スポットが多いです。
褶曲(火災構造)
火炎構造とは火炎のような見た目をした地層のことです。上の層は大きい砂、下の層が小さい砂でできた層だとわかります。下の層がまだ凝固していないときに上の層が堆積すると、上の層が下に落ちていき下の層が上方に流れるためです。
褶曲(スランプ構造)
褶曲構造とは地層や板状の岩体が波のように曲がっている構造です。比較的柔らかい岩盤でみられます。固い岩盤は褶曲が形成される途中で破断して断層となるためです。
褶曲構造のなかでも、上下の地層が褶曲せずに、一つの地層だけが褶曲しているものを スランプ構造といいます。
ラミナ(クロスラミナ)
ラミナ(葉理)とは層の中にみられる細かい縞のことです。ラミナのうち、斜めの縞のものがクロスラミナ(斜交葉理)といいます。層ができた時代の風向きや水流の向きを推定できるのです。
海食洞(海食洞門)
海食洞とは、波による侵食によってできた洞窟です。 なかでもトンネル状になったものは海食洞門と呼ばれます。城ヶ島には 「馬の背洞門」という海食洞があります。
実は、昔は満潮時には一部が海中に沈み、小舟で通過することもできました。しかし、関東大震災によって地盤は隆起し、陸上の洞門となりました。地震の脅威も感じることができます。
断層(逆断層)
断層の種類は、正断層、逆断層、横ずれ断層の3つです。地層が引っ張られたら正断層、押されていたら逆断層、横にずれていたら横ずれ断層です。
城ヶ島では逆断層がいたることろで見つけられます。ぜひ、足もとをみて、逆断層になっていることを確認してみましょう。
城ヶ島は地形だけじゃない
城ヶ島には興味深いスポットがあります。
県立城ヶ島公園
まずは県立城ヶ島公園です。静かな芝生でゆっくりした時間も過ごせますし、海岸の地層探検にも繋がっています。
城ヶ島砲台跡
展望台になっており一見わかりにくいですが、現在は展望台になっているのは城ヶ島砲台の観測所跡です。1927年に東京湾要塞の一部として、砲台が設けられました。東京湾要塞とは明治から第二次大戦までの間、太平洋側からの攻撃に備えた防衛要塞です。
2つの灯台(城ヶ島灯台、安房埼灯台)
城ヶ島には東西の島の先に2つの灯台があります。西端にあるのが城ヶ島灯台、東端にあるのが安房埼灯台です。
城ヶ島のお店たち
島ならではのどこか懐かしさ溢れる商店があります。バス停付近にはお土産を売る商店街や海産物を扱う飲食店など。ダイビングショップやホテルもありますね。なんだか好きな雰囲気です。
日帰りでは物足りない三浦半島
三崎マグロで有名な三崎港
市場も良い雰囲気です 食事処がたくさん。どこでも美味しい海の幸が食べられます 美味しかったです
三崎港は、三浦半島の先で城ヶ島に渡る橋の近くにある漁港です。日本有数の漁港であり、三崎マグロとしても知られる通りマグロの陸揚量全国2位の漁港です。(ちなみに1位は静岡にある焼津漁港です。)マグロだけでなく、水揚げ量は金目鯛、カジキ、ブリも日本で2位の水揚げ量です。
最後に
コロナウイルスの広がりを防ぐため、まだまだ人混みに出かけることは控えたほうが良い時期ですね。とはいえ最近はコロナ自粛に飽きてきたと言われてきていますし、身体がウズウズしてきたのではないでしょうか。
こんなときは自然を楽しむチャンスだと思います!ぜひ学びある休日を城ヶ島で過ごしてみてはいかがでしょうか!