【史上最大プロジェクト】マンハッタン計画のあらすじ【原子爆弾】

マンハッタン計画を知っていますか。おそらく人類史上、最大の開発費と天才達が投じられた開発計画です。そして開発したのは、原子爆弾です。そして、この開発は原子力発電などの原子力技術の始まりでもあります。

日本は、原子力に一番苦しんだ国であるでしょう。唯一の被爆国であり、福島第一原発事故という原発事故も起こしました。一方、鉄腕アトムなどの原子力の象徴ともいえるキャラクターが愛されたこともある国です。

そして、僕たちはもっと原子力を知る必要があると感じるのです。実は、原子力の歴史は繋がっています。芋ずる式に原子力の流れを学ぶことで、

主に参考にしているのは以下の文献です。

原子爆弾とは

広島に原子爆弾「リトルボーイ」を投下した輸送機エノラゲイ

原子爆弾とは、ウランやプルトニウムなどを核分裂させて爆発する爆弾のこと。ウランの原子核が次から次へと分裂して莫大なエネルギーを放出する核分裂連鎖反応によって爆発する爆弾のことです。核が爆発するので核爆弾のほうが現象的には正しいですが、原子爆弾とよばれます。

日本ではピカドンとよばれました。戦後の映画としては、「原爆の子」「ひろしま」などがあります。被曝し黒こげになったまま喉を乾かした女子中学生が、水を求めて水に顔を突っ込んだまま亡くなったという話がありました。最近では、「この世界の片隅に」などは記憶に新しいですよね。被害の様子は、地表の温度は600℃前後に達しました。また、被爆したことで白血病をはじめ多くの方が被害をうけました。

アメリカは、日本にポツダム宣言を受諾させるために必要だったと主張していますね。最近は、イギリスのチャーチル政権時代の情報が公開され、イギリス・アメリカ・旧ソ連の駆け引きの一つとして、政治的な意味合いで原爆投下が判断されたと言われています。

原子力発電もマンハッタン計画がきっかけで推し進められた技術といえます。戦後は「核の平和利用」という名目で、原子力が発電に利用されることになりました。

原子爆弾開発の全体のながれ

  1. 【核分裂連鎖反応の発見】始まりは、1937年のドイツ
  2. 【マンハッタン計画】1942~1945年の4年間でおこなわれた原子爆弾開発
  3. 【トリニティ実験】1945年7月16日午前5時30分におこなわれた史上初の原爆実験
トリニティ実験跡地。ここで人類初の原子爆弾が爆発した。

始まりは、1937年のドイツで核分裂反応が発見されたことでした。発見者はオットー・ハーンとリーゼ・マイトナーです。彼らが核分裂連鎖反応を発見したことで、世界中の物理学者たちが原子爆弾の可能性に気づくことになるのです。

アメリカとイギリスの科学者が、ナチスが原子爆弾を完成させてしまうのではないかという恐怖から、ナチスより先に原子爆弾を開発するために立ち上がることになりました。その計画こそがマンハッタン計画です。マンハッタン計画は、本部がニューヨークのマンハッタンにあったことから名付けられたブロジェクトの名前です。イギリスでは、チューズ・アロイというプロジェクト名がつけられていました。いずれも、名前からは原子爆弾開発を行っているとはわからないように名前がつけられていたのです。秘密事項として一般の人々が知ることはありませんでした。

日本では、理研の仁科芳雄は原子爆弾製造目的の実験をおこなっていました。アジアで初の粒子加速器サイクロトロンを建設して、研究を進めていました。計画名は「二号研究」でした。しかし、空襲により研究施設を破壊されて、開発を断念することになったのでした。

ドイツでも、原子爆弾開発はおこなわれました。ハイゼンベルクという当時世界トップクラスの物理学者がいました。(当時、既に23歳で博士号、31歳でノーベル賞受賞していました!)実際にドイツ軍は核爆弾開発に取り組んでおり、陣頭指揮はハイゼンベルクがとりました。イギリスの攻撃が成功したこともあって、ドイツは原子炉の臨界実験止まりであり、核爆弾をつくることができるレベルではありませんでした。

1945年7月、アメリカが人類初の原子爆弾の実験に成功します。トリニティ実験と呼ばれるこの実験では、アメリカのニューメキシコ州にある広大な実験場が使われました。これによって、マンハッタン計画が成功したわけです。そして、この実験から1ヶ月後に、広島と長崎に原子爆弾が投下されました。

最後に

今回は、マンハッタン計画のあらすじを紹介しました。この話の最後には、広島と長崎への原子爆弾投下があります。そして、原子力発電の時代へと進んでいくわけです。

日本人として、科学技術を学ぶ者として、マンハッタン計画については知らなければいけないと思っています。実は、僕はこれまでにアメリカのマンハッタン計画の拠点を回ったことがあります。訪問経験についても別の記事などで紹介できたらといいと思っています。

主に参考にしているのは以下の文献です。