ミレニアム開発目標MDGsの基本【MDGs】

このSDGsやMDGsは、世界で開発目標を統一するための枠組です。2000年におこなわれた国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言で宣言された目標を達成するための短期的な開発目標になっています。

これからの社会の動向を知るにはSDGsを知っておくことが必要なのです。人類がどんな社会をつくりたいと思っているのかというスケールの大きな話を知っておく必要があるでしょう。なぜなら、社会の方向性を知ることができるからです。各国はSDGsに沿う開発を促進させようと働きかけ、企業などの団体はSDGsに沿った開発や支援をおこなうことになります。

例えば、最近、落合陽一さんの未来を語る本『2030年の世界地図帳』(落合陽一著)が、話題になりましたね。副題の『世界はすでに“新しいルール”で動きはじめた』とありますが、このルールこそがSDGsなのです。

さて、SDGsには一つ前の期間におこなわれたMDGsという課題の後継に当たります。2000~2015年の15年間で国連で設定したミレニアム開発目標(MDGs)というものがありました。これが2015~2030年の持続可能な開発目標(SDGs)に置き換わったのです。そこで今回はSDGsを学ぶ準備として、MDGsを学んでみようと思いました。

一覧を見てみると、社会問題を取り上げているようですね。開発というと理系の僕は技術開発を思い浮かべていましたが、どうやら方向性は少し違ったようで

それでは、一つずつ目標と2015年時点での結果についてみていきましょう。

1.極度の貧困と飢餓の撲滅

  • 極度の貧困(1日1.25米ドル未満で生活)で暮らす人の数は、19億人(1990年)から8億3,600万人(2015年)と、半数以下に減少
  • 途上国や地域における栄養不良の人々の割合は23.3%(1990-92年)から12.9%(2014-16年)と、ほぼ半減の見込み
  • 5歳未満児のうち低体重の子どもの割合は、1990年から2015年の間にほぼ半減

科学技術というよりも経済的な問題が多いのでしょうか。気候や土壌による地域の気候問題や社会情勢によるものなど理由は様々なのでしょうか。農業については、科学技術が活躍して解決していってほしい課題ですよね。また、ドローンの開発などが進み、運搬コストなどが下がっていくと科学技術が飢餓問題解決にひと役買うこともできるのでしょうか。

2.普遍的初等教育の達成

  • 途上国の初等教育純就学率は80%(1990年)から91%(2015年)に増加
  • 学校に通っていない初等教育学齢期の子どもの数は、1億人(2000年)から5,700万人(2015年)に減少
  • 若者(15〜24歳)の識字率は、83%(1990年)から91%(2015年)に向上

教育ですね。私たちの身近なところでは教育系のYoutubeがどんどん出てきていますね。コンテンツ制作者も多く出てきて、教育におけるお金、距離、言語などの壁をどんどん壊してくれているのを実感します。日本では教育系YouTuberと呼ばれますが、世界的にはEducation×Yutuber = Edutuberと呼ばれているそうです。

理系ユーチューバについてまとめた記事があるので良かったら参考にしてください。

3.ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上

  • 途上国の3分の2以上で、初等教育の就学率において男女の格差が解消

初等教育の就学率に関して、男女差があるなんてあまり想像していませんでした。これも教育ですね。

先進国では女性の社会進出が進んでいる一方で、日本では遅れています。社会進出を促進させるためフェミニズム的な思想がどんどん進んでいる一方で、偏った思想も広がり議論をよんだりしていますよね。

日本の科学技術分野では、理系の女性を「リケジョ」とよんで様々な取り組みをさせています。学術界でも産業界でもリケジョが活躍しやすい環境が進んでいます。個人的にはやりすぎと思ってしまう場面を多くみてきて、両手を上げて喜べることではありませんが、過渡的なこととしてはリケジョブームも良いのかなと思っています。

4.乳幼児死亡率の削減

  • 5歳未満児年間死亡数は1,270万人(1990年)から590万人(2015年)と、53%減少

5.妊産婦の健康の改善

  • 妊産婦死亡は、10万人あたり380人(1990年)から210人(2013年)に減少(死亡率は45%減少)
  • 熟練した医療従事者の立会いの下での出産は、59%(1990年)から71%(2014年)に増加

4, 5は医療技術や衛生問題、食糧問題など多くが絡んでいますよね。これから、医療や衛生に関わる技術にも注目したいと思っています。

6.HIV/エイズ、マラリアその他の疾病の蔓延防止

  • HIVの新たな感染は、推定350万人(2000年)から210万人(2013年)と、約40%減少
  • 2000年〜2015年の間に推定620万人以上の命がマラリアから、2000〜2013年の間に推定3,700万人の命が結核から守られた

感染症については、人口増加やグローバル化に伴い、リスクが大きくなっていますね。必然的に報道も盛んになり、なんとなく感染症が増えている印象も受けてしまいます。しかし、HIVやマラリアなどの感染症も減少しているようで、社会は前に進んでいますね。

7.環境の持続可能性の確保

  • 改善された水源から安全な飲料水を入手できる人の割合は、76%(1990年)から91%(2015年)に向上。1990年以降、26億人が新たに利用できるようになった
  • 2015年、世界の人口の68%が改善された衛生設備を利用している。1990年以降、21億人が新たに利用できるようになった

環境維持というのは重要ですよね。地球温暖化対策や絶滅危惧種動物の保護など、多くの課題があります。ここでは、人間の暮らしに関わる衛生問題が課題だったようです。

8.開発のためのグローバル・パートナーシップの推進

  • インターネットの普及率は、世界の人口のわずか6%余(2000年)から43%(2015年)まで増加。新たに32億人がインターネットの情報網につながることができた
  • 2015年、世界の人口の95%が、携帯電話の通話可能域で暮らしている

この後、2018年には普及率が50%を超えたようです。インターネットが世界を変えていますよね。情報格差や環境で機会を失うことがあってはいけないのかなと思うのです。

最後に

社会は良くなっているのだと感じられる内容でした。

調べてみましたが、一見すると科学技術というよりも経済的な問題や社会情勢などの問題が多いのかなという印象を受けました。しかし、近年の科学技術の発展やメーカーの開発の裏には、MDGsで挙げられるような課題を解決できるものが意識されていることが多かった気がします。

会社の社会的責任 CSR を果たすことは、企業のブランディングの一つのようで、MDGsに取り組むことがイメージ戦略に繋がっているのかなと思います。

次は、現在の課題であるSDGsについてもみていきましょう。