量子論の初心者におすすめの本3冊【数式を使わない本を厳選】

「量子化学や量子力学の勉強を始めたいなぁ。初学者にオススメの本はなんだろう?勉強のはじめの一歩としてざっくり理解できる本を知りたいなぁ。」

こういった悩みに答えます。

本記事では、量子論のオススメな本を紹介しました。はじめから専門書を手にするのも良いですが、これは挫折の元です。一度、簡単な本で概要を掴み、量子論やそれによる発見などを知っておくと、学びの効率が大幅に向上します。

なお、僕の物理学の勉強歴は12年ほど。研究者として生計を立てつつ、サイエンス・エバンジェリストとして科学技術を世間に伝えるための教育活動もしています。こういったバックグラウンドなので、記事の信頼性が担保できるかと思います。

というわけでさっそく見ていきましょう。

量子論の初心者におすすめの本3冊【数式を使わない本】

可能であれば本記事で紹介する順番で読んでください。読書の順番も考えつつ、3冊を厳選しました。

マンガでわかる量子力学

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量子力学の全体像を理解するのに役立つ本です。基本的な仕組みはこの一冊で理解できるはずです。量子力学の世の中に多くないため、貴重な本です。量子力学の概要を掴むのにもってこいの本です。専門書に取り掛かろうと思っている方は、まずはこの本を読むことをお勧めします。

詩人のための量子力学

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量子力学の面白いエッセンスをたくさん紹介してくれる本です。量子論の歴史、古典物理学と量子力学の対比、化学と量子力学の関係、シュレディンガーの猫、弦理論、超対称性、量子コンピューターなど、量子論に関する話題を数式なしで見事に説明している一冊です。著者のレオン・レーダーマンはノーベル物理学賞受賞者ですから、内容の信頼性も十分ですね。

量子物理学の発見

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現代の物理学がいかにして発展したかを紹介している本です。最近のニュースを聞いて、興味が湧いている人にはお勧めです。ニュートリノ振動やヒッグス粒子など、聞いたことあるけれど上手く理解できていないという方は、ぜひ読んでみてください。こんなに面白くてわかりやすい本はなかなかありません。こちらもノーベル物理学賞受賞者のレオン・レーダーマンの作品です。(はじめはアメリカで政治的な理由から開発中止になった加速器の恨みについて愚痴がたくさん書かれています。著者の人間味があふれていて面白いです。僕は、この本でレーダーマンのファンになりました。)

簡単な参考書の大切さを侮ってはいけない3つの理由

簡単な参考書だからといって侮ってはいけません。簡単な参考書を読む利点について改めて確認してみましょう。

  1. 全体を掴むとストーリーがみえてくる
  2. 専門書を読むときに、重要なポイントがわかる
  3. 専門書を読むときに、目的意識が明確になる

まずは、全体のストーリーがみえてきます。誰もがまずは専門書を手にして「よし頑張ろう」と意気込むものですが、失敗する例をよく見かけました。よくある失敗パターンは「コツコツしっかり学んでいこう」→「計算でつまずいて進まない」→「やる気がなくなった」という流れです。計算でつまづいているときなどは、もはや計算の目的を見失っていることも。簡単な参考書を使うと、このつまづきがないので、学問全体を見渡せます。

専門書を読むときに、重要なポイントがわかります。ストーリーがわかるとどんな概念や式が重要なのかがみえてきます。何が大切かわからないまま式を眺めていてもつまらないですよね。どんな式が大事なのか、どの変数が大事なのか、どんな概念が大事なのか、全体を見渡せているとみえてくるのです。

また、目的意識が明確になります。それぞれの学問がどんな発見や技術につながったのかがわかるとモチベーションが上がり、目的意識がでてきます。たとえば「半導体を理解するためには、この章を学ばないといけないな」といったような具合です。目的意識があると、学びの効率が圧倒的に上がります。

僕も学生時代は「ちゃんとした参考書で学ばねばいけない」という信念で、硬い参考書を読んでは挫折していたものです。そして、この参考書は有名だけれど自分には合わないと投げ捨て、また新しい参考書を買って…という負の連鎖を繰り返した気がします。「まずは全体を掴む」というスタイルを取れるようになったのは、しばらく経ってからだった気がしますね。

概要を理解したら専門書

概要をつかんだうえで、さらに量子論をしっかりと学ぶ必要がありますね。専門書一冊を数式を通して理解していくことが望ましいと思います。

物理はやはり実験と数学に基づき考察を進めていく学問です。全体を掴んだ後には専門書を手にとって、学びを進めていきましょう。怖がる必要はありません。全体を掴めていれば、著者の論理展開などがスムーズに頭に入ってきます。

余裕がある人は今回紹介した本と合わせて専門書も一緒に読み進めるのがオススメです。

おすすめ量子力学参考書

最後に

今回は量子論の本を紹介しました。量子論は、20世紀の物理として学んでおきたい学問ですね。最近のニュースになる発見の多くは、量子論に基づいているものが多いからです。

専門書を使った学習も必要ですが、大枠を掴むためには実は専門書は要りません。まずは、簡単な本で学習を進めて、その後で専門書に取り掛かることで学習効率が大幅に向上すると思います。ぜひ試してみてください。

量子論に一度つまづいた方は、ぜひこのような本を参考にして再チャレンジしてみてください。量子の世界は不思議に満ち溢れた世界です。

良かったら参考にしてみてください!今回紹介した本は、皆さんの学びを後押ししてくれます。